泥くさく咲く
問題にぶつかるのは、
進んでるから。
- 萩原 那佳
- 2012年新卒入社
- こぶしえん 支援事業部 課長
- 支援職員
新卒で入職以来、ずっと支援職員として障害者の方々に向き合ってきました。ポジションも、リーダー、係長とステップアップし、現在は課長に。サービス管理責任者の資格も取得し、利用者の生活をより良くするために、個別支援計画の立案、職員の指導にあたっています。そんな風にいうと、順風満帆なキャリアのように聞こえるかもしれませんが、実際はそんなことはなくて。ずっと、目の前のことに悩み、手探りで解決策を探して、なんとか切り抜けてきた日々でした。特に印象に残っているエピソードは、2021年に新設されたこぶしえんの立ち上げでしょうか。「新しい施設の責任者をやってもらえないか?」という話をいただいた時は、良いタイミングだな!と嬉々としてお話を受けました。いずみえんで10年近く勤務してきた経験を活かして、きっと上手くやれるはず。私が抱いたそんな希望的観測は、すぐに打ち砕かれることになりました(笑)。

本当にまっさらなカタチでオープンしたこぶしえんは、利用者も、職員も、フレッシュな方ばかり。利用者の性格や経歴、介助レベルなども不明瞭な状態でした。サービス管理責任者としてご本人と向き合う、ご家族と面談を重ねる…。いろんな昔話をしたり、他愛のない話をする中で少しずつ、お一人おひとりのことを把握していきましたね。職員は新卒入社の方も多く、育成にもパワーが掛かりました。今となっては、皆、若くて明るくて、私も救われることが多いのですが、当時はわちゃわちゃで(笑)。新施設に対する利用者やご家族からの要望値が高い中、どうやってその期待に応える組織を、施設をつくっていくか、頭を悩ませる毎日でした。どちらかというと想定外な問題に対応するのは好きな性格で、多発するイレギュラーに対処する日々はやりがいと達成感にあふれていましたが、もう一度やりたいかというと、答えは圧倒的にノー!(笑)。でも、その一つひとつの“問題”が、私自身を育ててくれたのかなと思っています。

現在、こぶしえんの運営はようやく軌道に乗り、さらにサービス品質を高めるべく、試行錯誤を繰り返す毎日を送っています。人の採用もそうですね。今、こぶしえんの採用担当として施設見学のご案内や学校訪問、実習指導などを行いながら、もっと良い施設をつくる仲間を集めています。「良い施設をつくる」と言いましたが、本当は私、夢があって。大きな話かもしれませんが、施設内だけじゃなくて、社会全体が障害者にとって過ごしやすい空間にしたいんです。施設内はフルフラットで段差もありませんし、バリアフリーになっていますが、施設外に一歩出れば利用者の制限となるものは多い…。ちょっとずつでいい。外部の方との交流に参加したり、地域や区に発信して、できることから変えていきたい。本当に遠慮せず、やりたいこと、行きたいところに行けるようにサポートしたい。少しでも利用者の世界を広げて行けたらいいなと思っています。そのために、やらなきゃいけないことは山積みで。きっと、これからもずっと私はこの福祉の世界をバタバタと走り回ってるんだろうなって思います(笑)。
