フットワークで咲く

ご自宅に、心に、
飛び込みます。

わりと一人でふらっと気ままに行動するのが、好きな性質で。前職はルート営業で、お客様のご自宅を回っていました。そんな私が、今は機能訓練指導員として、利用者のご自宅を回っている。機能訓練指導員は、利用者が日常生活を安全に送れるように身体機能の維持・向上を目的としたケアを行うポジションで、細かくは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師など様々な資格を持つ人たちに分かれていくのですが、私の資格は柔道整復師。接骨院で骨折や脱臼のリハビリをする先生がもっている資格です。この資格を専門学校時代に取得していたので、せっかくなら活かしたい、世の中のために役立たせたいと一念発起して、徳心会に入職しました。人生、一度きりですからね。

現在、短期入所の方の機能訓練を担当していますが、利用者の生活のメインとなるのは、ご自宅で。自宅に伺って、実際に住まわれている空間を拝見して、機能訓練の計画書を作成します。2階に自室があるなら、施設でも練習用の階段を用意したり。ベッドのL字柵や介助バー、つっぱり式の手すりなども、同じ環境を作り、訓練を実施します。通常、機能訓練指導員が自宅訪問をすることは必須ではないのですが、そこは私のこだわりで。極力自分が行くようにしています。短期入所者担当の機能訓練指導員は私一人のため、時間的に厳しいところもありますが、プロとして現場を見た上で、計画書をつくりたい。また、毎回同じ人が伺うことがご家族や利用者の信頼にもつながって、深い話を伺うことができるのもあります。ご家族と話し込んじゃって、長々話してしまうこともありますね。自宅に飛び込む、心に飛び込む、そんな気軽さやフットワークは、この仕事で大事な素養だと思います。

ご提案した訓練によって身体能力が向上し、歩けるようになった、2階に行けるようになった!と喜んでくださるのを拝見できるのは、とても嬉しいですね。でも、歩けなかった人が歩けるようになる、行けなかった場所に行けるようになるというのは、新しいリスクにもつながります。本人のご希望、ご家族の心配…。難しいところですが、たくさん皆さんの話を伺って、いろいろなバランスを取りながら、訓練計画を練っていく。私の実家は、新潟で祖父母とも一緒に暮らしていましたが、家が結構広くて大変そうだった。田舎あるあるですけども(笑)。でも、やっぱり本人が大好きな空間、思い入れのある場所でなるべく長く、安全に過ごしてほしい。私の計画書は、そういう時間をつくるためにあるのだと思います。