意欲満点で咲く

身体だけじゃなく、
気持ちをほぐすリハビリを。

現在、徳心会で理学療法士として勤務しています。理学療法士は、寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くといった日常生活を行う上での基本動作ができるようにリハビリを支援する専門職ですが、この仕事を目指したきっかけは、小学生の頃に見た祖父のリハビリ風景。それまでふつうに生活ができていた祖父が脳梗塞を患ったのを境に、突然、身体が不自由になりました。歩くこと、食べることも一人ではままならず、泣きながら食事をしていました。そんな祖父が理学療法士の方と一緒にリハビリをする中で少しずつ回復して表情も明るくなり、最終的には一人で歩くことも、車を運転することもできるまでになりました。部活の応援にも来てくれて、孫の活躍が見れて嬉しいとカカっと笑っていました。僕が中学生の頃に祖父は亡くなりましたが、自分のやりたいことができる、行きたい場所に行けるってすごいことなんだと思いました。そんなこんなで高校時代の進路選択は、理学療法士の専門学校に決めました。

自分もあの時、祖父を担当してくれた人のように…。意気込んでケアを始めましたが、どうにも上手くいきませんでした。新設のこぶしえんの機能訓練指導員は、僕一人だけ。専門学校で学んだ知識はあるものの、なかなか実践の中では通用しないものも多い。自分が提供したいリハビリの品質、利用者の満足度と現実の自分のレベルに落差を感じて、落ち込みました。そんな悩みを上司に相談したところ、その10分後には支援事業部の課長が連絡をくれて、すごい対応が早いなって(笑)。それから機能訓練指導員を3名体制に増員し、また外部の実績ある理学療法士とも接続してくださって、学ぶ機会をつくってくれた。ああ、この法人は本当に人を大切にしてくれるんだなって感じました。その想いに応えよう!学んでやろう!上を目指そう!って気持ちになりましたね。

リハビリって、受けたから確実に身体が動くようになったり、生活しやすくなったりするわけじゃなくて。加齢や病気によって、落ちていく身体能力をどうやって維持するか、という戦いになることもあります。でも、そんな中で、少しでも何かができるようになった!、昨日と変わらずこういう動作ができた!という喜びを分かち合いたい。リハビリは、ずっと車椅子に座っていてごわごわした身体だけじゃなく、気持ちまでをほぐしていける。日々の暮らしの中で、そういう喜びを利用者に、ご家族に提供し、「こぶしえんはリハビリが自慢!」っていうぐらいに評判を高めたいですね。もしも、亡くなった祖父と話せるなら、「胸を張れる仕事をしてるよ!」って言いたいですね。あの時、じいちゃんが見せてくれた笑顔を、今、僕がつくってるよって。