自分の道を見つけて咲く
1分1秒、無駄にできない。
すべては、命につながる時間。
- 鈴木 栄次
- 2012年中途入社
- さくらえん 医務課
- 看護師
新卒の頃、就職活動はしませんでした。モラトリアムこじらせて、特にやりたいこともなくて、27歳くらいまでフリーターをやっていた。そんな中、たまたまアルバイトで入った障害施設で正社員になって、いい先輩、仲間に恵まれて刺激をもらいました。みんな、ケアマネージャーや介護福祉士の資格を取ったり、上を目指しているのを見て、自分もスキルアップしたいなって。それで、准看護師の奨学金制度のある徳心会に転職しました。今は看護師という仕事にプライドがありますが、当時は特別な理由はありませんでした。仲間に対してカッコつけたいぐらいで(笑)。家から近い、施設がきれい、そんな理由で徳心会を選びましたね。入職後は介護士として勤務。5年間働けば准看護師の奨学金制度を利用できたのですが、私のキャリアプランを聞いていた上司が特例で3年間に縮めてくれた。「がんばれよ!」と学校に送り出してくれて。ありがたかったですね。それから2年間、働きながら学校に通い、2017年に看護師として医務課に配属になりました。

准看護学校時代より、看護師になってからの方が勉強量は増えたと思います。現場で利用者の体調不良に気づけなかったり、指示を間違えたら、助かった命が助からなくなるかもしれない…。自分の状況判断がより的確になり、1分1秒でも判断スピードが縮まれば、そのぶん、命を救うことができる。守ることができる。とにかく本を読む、知識のあるドクターや先輩看護師に質問して教えてもらう。今の時代はネットにも豊富に情報がありますから、学ぶ意欲があればどれだけでも吸収できます。“時間”という話でいくと、自分の行動一つひとつにどれだけの時間が掛かるかを計測したこともあります。1階から4階まで階段を登ると何分かかる?病気の情報収集に何分、利用者の薬のチェックに何分?と、すべての行動を毎日計測しました。看護師として働き始めた1、2年目は時間管理が甘く、周囲を待たせることがあって…。時間が読めれば、仕事も組み立てやすいし、オーバーワークが原因のミスも防げます。他の看護師とも連携しやすくなる。より効率を高めて、空き時間をつくることができれば、その時間で直接、ドクターや介護士、利用者とも会話ができる。1分1秒を大切にする。そんな気持ちで日々の業務に向き合っています。

学生時代、フリーター時代、何がやりたいか分からず、ただ漫然と生きてきましたが、今ははっきりと分かる。利用者のそばにいたい。利用者が日々を安全に過ごし、できる限りやりたいことを実現できるように、見守っていきたい。老化によってできることは日々少なくなっていくかもしれない。けれど、笑顔でいられる時間が少しでも長く続くようにお手伝いをしたい。少し遠回りしたけれど、自分の人生を懸けて取り組むべき仕事に出会えた。そう考えると、あの時のモラトリアムにも意味がありましたね(笑)。今はさらなるスキルアップを求めて、正看護師への挑戦を進めています。もう無駄にできる時間なんて、ないんです。1分1秒、すべては命につながる時間ですから。
